日本の現代音楽をめぐって #2 【優しき歌】
日仏現代音楽協会がお送りする演奏会シリーズ『日本の現代音楽をめぐって』。本演奏会はパリ日本文化会館と日仏現代音楽協会の共催事業で、フランスでいまだ十分に紹介されていない、日本のすぐれた作曲家やその作品を取り上げることを目的としています。
第二弾となる今回は【優しき歌】と題して、20世紀日本歌曲の名曲に、幅広いジャンルで活躍する若手作曲家の新作を加えてお届けします。
12月2日18時30分開演
パリ日本文化会館 小ホール
住所 : 101Bis Quai Branly, 75015 Paris, France
(メトロ6番線 : M° Bir-Hakeim または RER C線 : Champ de Mars – Tour Eiffel駅)
電話 : +33 1 44 37 95 01
地図 : http://www.mcjp.fr/fr/informations-pratiques/venir-a-la-mcjp
チケット : 5 euros
プログラム :
河田文忠( 1938-2012 )
優しき歌
林光( 1931- 2012 )
四つの夕暮れの歌
八村義夫( 1938-1985 )
彼岸花の幻想
網守将平(1990- )
メゾ・ソプラノとピアノのための “Practice of chimeric movement on static syntax” (世界初演)
柴田南雄( 1916-1996)
立原道造の詩による「優しき歌」
小林真理(メゾ・ソプラノ・名誉会員)
棚田文紀 ピアノ
予約・詳細 :
http://www.mcjp.fr/ja/agenda/la-bonne-chanson
プロフィール :
網守将平 作曲家
1990年東京都生まれ。クラシック-現代音楽、電子音楽-サウンドアートの領域を横断し活動。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。在学中に長谷川良夫賞受賞。同大学院音楽研究科修士課程修了。修了作品『Multilubricity』は東京藝術大学買上となり、同大学美術館(芸術資料館)に永久保存されている。2007年ピティナピアノコンペティション特級において新曲課題曲作品賞受賞。2012年東京国際室内楽作曲コンクール入選。2013年京都フランス音楽アカデミーにおいてメシアン賞受賞。同年日本音楽コンクール作曲部門1位及び明治安田賞受賞。2014年電子音楽レーベルPROGRESSIVE FOrMよりリリースのコンピレーションアルバム『Forma. 4.14』に参加。同年NHK Eテレにて放送された『スコラ 坂本龍一 音楽の学校』に出演。2015年ACSM116賞受賞。これまでに作曲を佐々木邦雄、夏田昌和、安良岡章夫、鈴木純明の各氏に師事。
小林真理 メゾ・ソプラノ
鎌倉市生まれ。3歳よりピアノを始め、10歳より中村浩子女史に師事し声楽を学ぶ。
1979年東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業、同大学院修士課程に進み、1981年文化放送音楽賞受賞、第1回日仏声楽コンクールに入選、フランス音楽をより深く学ぶために留学を決意し、1982年フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に入学、レジーヌ・クレスパン女史に師事、1987年同音学院のオペラ科を終了、1989年にはウィリアム・クリスティ氏の指導する同音学院の古典声楽科のクラスを1等賞を得て終了する。パリ国立高等音楽院に在籍中の1983年頃より数々の国際声楽コンクールにて受賞(1984年パリのフランス歌曲国際コンクールでフォーレ賞、1988年クレルモン・フェランのオラトリオ・リート国際コンクールではリタ・シユトライヒ・記念大賞)この頃よりバロックから現代音楽に至る幅広い演奏活動を始める。
1993年には その後進学した東京芸術大学博士課程において博士論文『オリヴィエ・メシアンの歌曲研究ーハラウイを中心にー』を書き、博士号を収得する。
コンサート活動においては ピエール・ブーレーズの指揮でシヤトレ劇場でハリソン・バートウィッスルの〔メリヂアン〕のフランス初演、フランス国立管弦楽団、フィルハーモニック・オーケストラと共演、オランダのコンセルトゲボー・ホールにてシェーンヴェルクの〔4つのオーケストラ歌曲作品22〕、佐渡裕指揮でオーケストラ・ラムルーとマーラーの交響曲第2番、現代音楽作曲家の初演は数多く、アンサンブル・アンテルコンタンポランと数度共演、ロストロポーヴィッチの指揮で小林真理のために書かれたピヨートル・モスの〔スターバート・マーテル〕、最近ではフィリップ・ルルーの新作をロレーヌ国立管弦楽団とフランスとドイツで初演、ヨーロッパのみでなく、アメリカ、東欧、オーストラリアにてもソリストとして活躍している。オペラの分野では ジェフリー・テート指揮によるベルクの〔ルル〕の女流工芸家役、プッチーニの〔蝶々夫人〕のスズキ役、モーツァルトの〔コシ・ファン・トウツテ〕のドラベラ役、ヴィヴァルディの世界初演〔真実の証〕のルステーナ役などを演じている。
CD録音も多数に及び、モーツァルトの〔レクイエム〕、〔マニュエル・ロ-ゼンタール歌曲集〕、〔20世紀の作曲家の編曲による世界の民謡〕などがあり、最近では、フランスを代表するサクソフォン奏者、クロード・ドラングルとの〔japanese love songs〕、メシアンの〔ハラウィ〕などがある。
1999年にフランス国家教授資格を得て現在ストラスブール地方音楽院で声楽の専任教授を勤め、ニースのアカデミー他、各国でマスタークラスを行い、後進の指導にも情熱をそそいでいる。
倉敷の大原美術館のギャラリーコンサートに計3度出演した他、2013年にはフランスの各地でオーケストラとワーグナーの「ヴェーゼンドンクの歌曲」を数回歌い、同年10月25日には東京シティフィルとプーランクのオペラ「カルメル派修道女の対話」〔演奏会形式〕の修道院長の役を歌って好評を博した。
(当協会のホームページで小林真理さんへのインタビューを掲載しております。あわせてご覧下さいませ)
棚田文紀 作曲家、ピアニスト
1961年(昭和36年)岡山市生。河田文忠に作曲の手ほどきを受ける。その後東京芸術大学音楽学部作曲科において、北村昭、南弘明、八村義夫の各氏に作曲を、アンリエット・ピュイグ・ロジェ女史に伴奏法を学ぶ。1984 年、フランス政府給費留学生として、パリ国立高等音楽院入学。作曲、管弦楽法、ピアノ伴奏科の全科でプルミエ・プリ(一等賞)を得て卒業。その間クロード・バリーフ、ポール・メファーノ、ジャン・ケルネール、ソランジュ・キャパランの各氏に師事。現在、作曲家、ピアニストとして活動している。
現代音楽演奏グループであるアンサブル・イテイネレールのピアニストとして、数多くの現代作品の初演、録音にたずさわる。小林真理とはメシアンの歌曲集ハラウイ、ローゼンタール歌曲集を録音した。作曲家としては、エマニュエル・パユ、ピエール・イヴ・アルトー、クロード・ドラングル、ダヴィッド・グリマル、パブロ・マルケース、ハバネラ・サクソフォーン・クアルテット、イテイネレール、2E2M 等の演奏家、団体の為に作品を書いている。
作品は Editions Henry Lemoine、Gérard Billaudot などから出版されている。