日仏現代音楽交流年譜
1. 日仏間の現代音楽の普及・教育に関連した組織の設立 2. 日仏相互の公的な音楽家の顕彰 3. 日仏相互の作品初演 (作品の完成から20年内に行われたものを基本に、最大で40年を目安とする)、4. 日仏相互の音楽理論書の翻訳出版および現地報告 5. その他日仏の現代音楽の普及・教育に関わる時事および人事 以上を編集の基本方針としています。年譜に関してご指摘の点がございましたら、info [at] afjmc.orgまでご連絡下さい。(日仏現代音楽協会事務局 松宮)
年 | 出来事 |
1867 | L.ギュティッグ 来日 第一次フランス軍事顧問団 |
1884 | シャルル・ルルー 来日 第三次フランス軍事顧問団 |
1884 | オーギュスタン・サヴァール『音楽原論』日本語出版 村越銘訳、陸軍教導団 |
1885 | 「グノー『ファウスト』の主題による幻想曲」日本初演 P.モーレル (vln)、音楽取調掛、音楽演習会 |
1886 | シャルル・ルルー、伊澤修二らと共に日本音楽会設立 |
1887 | 「オーベール『ポルティチの物言わぬ娘』による幻想曲」日本初演 シャルル・ルルー指揮、陸軍教導団・近衛軍楽隊、第2回日本音楽会 |
1899 | ノエル・ペリ 東京音楽学校講師 |
1903 | 永井建子 リヨン連隊軍楽隊留学、翌年帰国 陸軍戸山学校軍楽隊楽長 |
1904 | ジョルジュ・ビゼー『アルルの女』組曲 (1872) 日本初演 アウグスト・ユンケル指揮、東京音楽学校 |
1908 | 内藤濯「印象主義の学才」『音楽界』9月号、楽会社 |
1908 | 永井荷風「西洋音楽最近の傾向」『早稲田文学』10月 |
1920 | クロード・ドビュッシー『牧神の午後への前奏曲』(1892 – 1894) 日本初演 山田耕筰指揮、日本楽劇協会、帝国劇場 |
1923 | 小松耕輔 フランス留学より帰国 翌年学習院教授 |
1924 | 日仏会館創立 |
1925 | モーリス・ラヴェル『クープランの墓』(1919) 日本初演 大沼哲指揮、ノートル・シムフォニィ・オーケストラ、報知講堂 |
1927 | 大沼哲 フランス留学より帰国 陸軍戸山学校軍楽隊隊長 |
1927 | クロード・ドビュッシー 交響詩『海』(1905) 日本初演 近衛秀麿指揮、新交響楽団、日本青年館 |
1929 | ダリウス・ミヨー『交響曲第2番』(1919) 日本初演 近衛秀麿指揮、新交響楽団、日本青年館 |
1931 | モーリス・ラヴェル『ボレロ』(1928) 日本初演 ニコライ・シフェルブラット指揮、新交響楽団、日本青年館 |
1931 | アルテュール・オネゲル『パシフィック231』(1923) 日本初演、近衛秀麿指揮、新交響楽団、日本青年館 |
1932 | 高木東六 フランス留学より帰国 帝国音楽学校教授 |
1933 | 井口基成 フランス留学より帰国 東京音楽学校教授 |
1935 | 平尾貴四男 フランス留学より帰国 |
1935 | 伊福部昭、松平頼則 アレクサンドル・チェレプニン管弦楽賞コンクールにて受賞 審査員 : アルベール・ルーセル、ジャック・イベール、アルテュール・オネゲル他 |
1936 | 山田耕筰 レジオンドヌール勲章シュヴァリエ受章 |
1936 | 大澤壽人 フランス留学より帰国 |
1937 | 池内友次郎 フランス留学より帰国 日本大学芸術科教授 |
1937 | 宅孝二 フランス留学より帰国 東京女子高等師範学校勤務 |
1938 | モーリス・ラヴェル『ピアノ協奏曲 ト長調』(1929 – 1930) 日本初演 ヨーゼフ・ローゼンシュトック指揮、新交響楽団、井口基成 (Pno)、日比谷公会堂 |
1940 | ジャック・イベール『日本の皇紀二千六百年に寄せる祝典序曲』制作 |
1942 | アルテュール・オネゲル 交響的詩篇『ダヴィデ王』(1923) 日本初演 菅原明朗指揮、松竹交響楽団 |
1944 | 近衛秀麿「オルケストル・グラーフ・コノエ」フランス、ベルギー演奏旅行 |
1947 | 平尾貴四男 国立音楽大学教授 |
1947 | 池内友次郎 東京藝術大学教授 |
1948 | 大澤壽人 神戸女学院大学教授 |
1949 | モーリス・ラヴェル『左手のためのピアノ協奏曲』(1929 – 1931) 日本初演 尾高尚忠指揮、日本交響楽団、安川加寿子 (pno)、日比谷公会堂 |
1952 | オリヴィエ・メシアン『世の終わりのための四重奏曲』(1940) 日本初演 園田高弘 (pno)、岩淵龍太郎 (vln)、大橋幸夫 (cl)、堀江泰 (vlc)、実験工房第2回発表会「現代音楽演奏会」、女子学院講堂 |
1952 | 別宮貞雄 フランス留学より帰国 |
1952 | 黛敏郎 フランス留学より帰国 翌年『ミュージック・コンクレートのためのXYZ』制作 |
1952 | 池内友次郎 レジオンドヌール勲章シュヴァリエ受章 |
1953 | アンリ・ビュッセル『作曲提要』日本語出版 翻訳 : 池内友次郎 |
1953 | アンリ・ビュッセル『楽器編成応用概論』日本語出版 翻訳 : 池内友次郎 |
1953 | ヴァンサン・ダンディ『作曲法講議』日本語出版 翻訳 : 池内友次郎 |
1954 | オリヴィエ・メシアン『我が音楽語法』日本語出版 翻訳 : 平尾貴四男 |
1954 | フランシス・プーランク『オーバード』(1929) 日本初演 斎藤秀雄指揮、岩渕洋子 (pno)、東京交響楽団、日比谷公会堂 |
1954 | フランシス・プーランク『動物詩集』(1919) 日本初演 福澤アクリヴィ (sop) |
1955 | 別宮貞雄 桐朋学園大学講師 |
1956 | 実験工房 ミュージック・コンクレート・電子音楽オーディション開催 |
1956 | 矢代秋雄 フランス留学より帰国 |
1956 | 篠原眞 渡仏 以降現在までヨーロッパを中心に活動 |
1958 | 三善晃 フランス留学より帰国 |
1958 | 黛敏郎『涅槃交響曲』制作 |
1960 | 丹波明 渡仏 以降現在までフランス在住 |
1961 | アルテュール・オネゲル『音楽論』日本語出版 翻訳 : 塚谷晃弘 |
1961 | 宍戸睦郎 フランス留学より帰国 |
1962 | オリヴィエ・メシアン 初来日 日本野鳥の会との交流 |
1962 | オリヴィエ・メシアン『トゥーランガリラ交響曲』(1946–48) 日本初演 小澤征爾指揮、NHK交響楽団、イヴォンヌ・ロリオ (pno)、本荘玲子 (ondes martenot)、東京文化会館 |
1962 | シャルル・ケックラン『和声の変遷』日本語出版 翻訳 : 清水修 |
1963 | ヤニス・クセナキス『ピトプラクタ』(1955–56) 日本初演 モーリス・ルルー指揮、日本フィルハーモニー交響楽団、東京文化会館 |
1963 | シャルル=マリー・ヴィドール『近代管絃楽法』日本語出版 翻訳 : 塚谷晃弘 |
1964 | 島岡譲ほか『和声 理論と実習』I, II, III 全3巻 出版 |
1965 | ノエル=ギャロン、マルセル・ビッチュ『対位法』日本語出版 翻訳 : 矢代秋雄 |
1966 | 平義久 渡仏 以降没年 (2005) までパリ在住 |
1966 | 三善晃 桐朋学園大学教授 |
1966 | ジョルジュ・オーリック 交響組曲『フェードル』(1948) 日本初演 ジョルジュ・セバスティアン指揮、フランス国立放送管弦楽団、東京文化会館 |
1967 | ピエール・ブーレーズ 初来日 大阪国際フェスティバル |
1967 | 安川加壽子 レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ受章 |
1968 | 矢代秋雄 東京藝術大学助教授 |
1968 | 牧野縑 渡仏 以降没年 (1992) までパリ在住 |
1969 | ヤニス・クセナキス 大阪万博にて360度スピーカーによる電子音楽『ヒビキ・ハナ・マ』制作 |
1969 | 丹波明 ソルボンヌ大学教授、フランス国立東洋言語文化研究所教授 |
1969 | 永冨正之 フランス留学より帰国 翌年東京藝術大学助教授 |
1970 | 尾高惇忠 フランス留学より帰国 東京藝術大学講師 |
1970 | ピエール・ブーレーズ『ル・マルトー・サン・メートル』(1953 – 1955) 日本初演 若杉弘指揮 |
1973 | オリヴィエ・アラン『和声の歴史』日本語出版 翻訳 : 永冨正之, 二宮正之 |
1973 | アンドレ・オデール『音楽の形式』日本語出版 翻訳 : 吉田秀和 |
1975 | ヤニス・クセナキス『音楽と建築』翻訳 : 高橋悠治 |
1975? | 福士則夫 フランス留学より帰国 国立音楽大学勤務 |
1976? | 牧野縑 パリ12区立ポール・デュカス音楽院 教授 |
1977 | アンリ・デュティユー『メタボール』(1964) 日本初演 セルジュ・ボド指揮、ジュネス・ミュージカル・ワールド・オーケストラ、NHKホール |
1978 | テオドール・デュボワ『和声学〈理論篇〉』翻訳 : 平尾貴四男, 矢代秋雄 |
1979 | アンリエット=ピュイグ・ロジェ 東京藝術大学教授 |
1980? | 松本日之春 フランス留学より帰国 後東京藝術大学講師 |
1981 | 宍戸睦郎 洗足学園大学勤務 |
1982 | 野平一郎 アンサンブル・イティネレール ピアニスト |
1982? | 藤井一興 フランス留学より帰国 後、東邦音楽大学音楽研究所教員 |
1982 | ピエール・ブーレーズ『ブーレーズ音楽論―徒弟の覚書』翻訳 : 船山隆, 笠羽映子 |
1984 | 平義久 エコール・ノルマル音楽院教授 |
1985 | オリヴィエ・メシアン 第1回京都賞(精神科学・表現芸術部門)受賞 |
1985 | 一柳慧、武満徹 フランス芸術文化勲章シュヴァリエ受賞 |
1986 | マルセル・ビッチュ, ジャン・ボンフィス『フーガ』日本語出版 翻訳 : 余田安広, 池内友次郎 |
1988 | アンリ・デュティユー 来日 第4回《東京の夏》音楽祭 パリからパリへ |
1988 | 船山隆 フランス芸術文化勲章シュヴァリエ受章 |
1989 | ピエール・ブーレーズ 第1回高松宮殿下記念世界文化賞・音楽部門受賞 |
1989 | 森悠子 リヨン国立高等音楽院助教授 |
1989 | 日本フォーレ協会設立 |
1990 | 京都フランス音楽アカデミー創設 |
1990 | アラン・ルヴィエ『オーケストラ』日本語出版 翻訳 : 山本省, 小松敬明 |
1990 | 永冨正之 フランス教育功労勲章シュヴァリエ受章 |
1990 | 野平一郎 東京藝術大学助教授 |
1990 | 野平多美 フランス留学より帰国 国立音楽大学勤務 |
1991? | 棚田文紀 アンサンブル・イティネレール ピアニスト |
1991 | 三善晃 フランス芸術文化勲章オフィシエ受章 |
1992 | 京都ヴィラ九条山開館 以降、フランスの作曲家多数が日本にレジデンス |
1993 | 佐渡裕 コンセール・ラムルー 首席指揮者 |
1994 | 金子仁美 フランス留学より帰国 桐朋学園大学講師 |
1994 | 船山信子 フランス芸術文化勲章シュヴァリエ受章 |
1994 | アンリ・デュティユー 第6回高松宮殿下記念世界文化賞・音楽部門受賞 |
1994 | 矢崎彦太郎 フランス国立トゥールーズ室内管弦楽団 首席客演指揮者 |
1995 | アラン・ゴーサン 大阪音楽大学客員教授 |
1995 | ピエール・ブーレーズ 来日『レポン』(1981 – 1984) 日本初演 自演、アンサンブル・アンテルコンタンポラン ブーレーズ・フェスティバル |
1995 | 永野英樹 アンサンブル・アンテルコンタンポラン ピアニスト |
1995 | ローラン・テシュネ 昭和音楽大学助教授 |
1996 | クロード・ドビュッシー『ドビュッシー音楽論集』日本語出版 翻訳 : 平島正郎 |
1996 | 斉木由美 フランス留学より帰国 |
1996 | 板倉康明 東京シンフォニエッタ 指揮者 |
1997 | パリ日本文化会館開館 |
1997 | 成田和子 フランス国営視聴覚研究所音楽研究グループ委員 |
1997 | ヤニス・クセナキス 第13回京都賞(精神科学・表現芸術部門)受賞 |
1997 | アンリ・デュティユー 武満徹作曲賞審査員 |
1997 | 夏田昌和 フランス留学より帰国 東京藝術大学講師 |
1998 | 江戸京子 フランス芸術文化勲章オフィシェ受章 |
1998 | 井上道義 フランス芸術文化勲章シュヴァリエ受章 |
1998 | トリスタン・ミュライユ 来日『デザンテグラシオン – コンピュータ合成テープと17楽器のための』(1982) 日本初演 野平一郎・板倉康明指揮、東京シンフォニエッタ、第7回定期公演、津田ホール |
1999 | 小林真理 ストラスブール音楽院教授 |
2001 | 音と音楽・創作工房116設立 |
2001 | ジェラール・グリゼー『時の渦』(1995) 日本初演、夏田昌和指揮、アンサンブル・ヴィーヴォ、東京オペラシティ |
2002 | リュック・フェラーリ 初来日 全リュック・フェラーリ作品 (ピアノ、テープ) 演奏会、滝野川会館大ホール |
2004 | 檜垣智也 futura/motus講師 |
2004 | 森あゆみ アンサンブル・ケルン クラリネット奏者 |
2004 | ヴィンコ ・グロボカール 来日『人質 大オーケストラとサンプラーのための』(2004) 世界初演 サントリーサマーフェスティバル・テーマ作曲家 |
2005 | 第1回ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン開催 |
2005 | フィリップ・マヌリ 来日『奇妙な儀式』(2005) 世界初演 静岡音楽館AOI |
2005 | 鈴木純明 フランス留学より帰国 後東京藝術大学准教授 |
2005 | 阿部加奈子 アンサンブル・ミュルチラテラル 指揮者 |
2005 | ベルナール・パルメジャーニ 来日『アクースモニウム・ライブ~24チャンネルのスピーカー・オーケストラ』第21回《東京の夏》音楽祭 |
2005 | ドゥニ・デュフール 初来日「アクースモニウム・サウンド・プロジェクション・コンサート」CCMC2005、東京日仏学院エスパス・イマージュ |
2006 | ベッツィ・ジョラス 来日『ヴァントゥー山への登頂』(2004) 日本初演、第22回《東京の夏》音楽祭 |
2006 | ヤン・マレシュ、IRCAMチーム 来日 尚美学園大学 |
2007 | オリヴィエ・メシアン、イヴォンヌ・ロリオ『メシアンによるラヴェル楽曲分析』日本語出版 翻訳 : 野平一郎 |
2007 | ジャン=クロード・リセ 来日『スキーム ヴァイオリンとオーケストラのための』(2007) 世界初演 サントリーサマーフェスティバル委嘱作品 |
2007 | 望月京 明治学院大学准教授 |
2007 | 馬場法子 カサ・ド・ヴェラスケス会員 |
2008 | ジェラール・グリゼー『音響空間』(1974 – 85) 全曲日本初演 サントリーサマーフェスティバル |
2008 | 大野和士 フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団 首席指揮者 |
2009 | ピエール・ブーレーズ 第25回京都賞(思想・芸術部門)受賞 |
2010 | トリスタン・ミュライユ 来日 コンポ−ジアム2010、武満徹作曲賞審査員 |
2010 | トリスタン・ミュライユ『ゴンドワナ』(1980) 日本初演、野平一郎指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団 |
2011 | アンサンブル・イティネレール 初来日、静岡音楽館AOI |
2012 | 山口博史『パリ厳格対位法: パリ音楽院の方式による』出版 |
2013 | ルイージ・ケルビーニ『対位法とフーガ講座』日本語出版 翻訳 : 小鍛冶邦隆 |
2013 | IRCAM×東京・春・音楽祭 開催 |
2013 | 酒井健治 カサ・ド・ヴェラスケス会員 |
2013 | 日仏現代音楽協会設立 |