第6回日仏指揮法講座開催のお知らせ(協会主催事業)

フランスにおける伝統的な音楽教育の理念である “musicien complet” (完全なる音楽家)の育成を目指す日仏現代音楽協会による指揮法講座、4年ぶりの開講が決定いたしました。指揮法の実際を学ぶだけではなく、指揮者に必要な能力や音楽の読解力を深めるため、講座の内容は様々な難易度やスタイルのオーケストラ作品の指揮法実技に、スコア・リーディングと楽曲分析を加えた3つの科目からなっております。講座の対象は未経験の方から大学等で指揮法を学んでいる方、あるいは演奏の現場で指揮活動をされている方まで、幅広い受講生のレヴェルに対応いたします。一流の講師とプロの演奏家たちのもとで実践的な指揮法を学ぶ絶好の機会、ぜひふるってご参加ください。
 
講師
阿部加奈子(日仏現代音楽協会会長)
夏田昌和(会員)

伴奏ピアニスト
大須賀かおり(会員)
瀬川裕美子(会員)
 
 
・講座内容・
1.  指揮法実技
以下の課題曲の中から講習生各自が2~3曲程度の楽曲や楽章を選択し、ピアノ連弾による演奏を指揮して頂きます。課題曲の選択に迷われた場合などは、事務局までご連絡ください。講師がメール等でご相談に乗ります。

*課題曲(下記より受講者が選択)
・モーツァルト「交響曲第41番」 C-dur
・ベートヴェン「交響曲第5番」c-moll
・ブラームス「交響曲第1番」c-moll
・ドヴォルザーク「交響曲第8番」G-dur
・ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」
・ラヴェル「マ・メール・ロワ組曲」*初級者推奨
・フォーレ「ペレアスとメリザンド管弦楽組曲(4曲版)」*初級者推奨
・ストラヴィンスキー「春の祭典」より「選ばれた生贄への賛美(104~)」と「生贄の踊り(142~)」
2.  スコア・リーディング
ご自分が指揮法講座で取り上げる選択課題曲の一部を(基本的にピアノで)演奏していただきます。スコア全体のピアノ演奏が難しい場合、任意のパートやセクションのみをピアノで弾くか、もしくは声に出して歌われるのでも構いません。演奏箇所の選択に迷われた場合などは、お気軽に事務局までご相談ください。
 
3.  楽曲分析
課題曲中から選んだ楽曲を、講師の先導で分析していきます。作曲学的な見地からの分析に加え、指揮という演奏行為に即した視点からも楽曲を捉えていくことを目指します。
 
 
・講座概要・
日程 
2月10日(金)
18:00~20:00 スコア・リーディング※
20:00~22:00 楽曲分析(担当:夏田)2月11日(土)
13:00-19:00(未確定) 指揮法実技2月12日(日)
13:00-19:00(未確定) 指揮法実技

※2月10日に参加できず、他の日に指揮法実技とともにスコア・リーディングの受講を希望する方は、事前に事務局までご相談ください。また、指揮法実技の時間は受講生の人数により増減します。

会場

2月10日
杉並区内のスタジオ(荻窪駅周辺) ※詳細はお問い合わせください。
 
2月11日、12日
スタジオ ピオティータ (京王線「桜上水」、井の頭線「西永福町」より徒歩約10分)
東京都杉並区下高井戸4-22-34
 
対象
受講生(定員最大10名)定員に達したため受講生の募集を終了いたしました。
– 指揮法を既に学んでいる方やこれから学びたいという方
– 合唱、アンサンブル、吹奏楽、オーケストラなどを対象にした指揮活動を行っている方、またそれらの活動を目指している方
– 音楽大学などで音楽の専門教育を受け、基礎的な音楽に関する知識は身につけているが、指揮法の勉強は未経験の方
– アマチュアの演奏家として室内楽やオーケストラ活動をされていて、更に指揮法の基礎を身につけたい方
– フランス式の指揮者教育を体験したい方や、将来的にこの分野で留学を考えている方
 
聴講生(定員最大20名)
事前に事務局までお申し込みいただければ、専門的な知識の有無に関わらず、どなたでも聴講ができます(各日とも講習の妨げとならない範囲で会場への出入りは自由です)。ただし、受講生多数の場合はお断りさせていただく場合がございますので、予めご了承ください。

参加費用
受講生:28,000円(日程や受講内容において部分参加をご希望の場合、別途お問い合わせください)定員に達したため受講生の募集を終了いたしました。
・聴講生(要事前予約、ただし人数に余裕がある場合は当日連絡も可):
 各日2,000円(2日間参加の場合は3,000円、3日間参加の場合は4,000円)
※日仏現代音楽協会会員は受講2,000円引き、聴講500円引き。


お申し込み・お問い合わせ :
日仏現代音楽協会事務局  nichifutsugenon@yahoo.co.jp
※受講生としてお申し込みの方は、お名前、お電話番号と併せて以下をご記入ください。(過去に「日仏指揮法講座」を受講された方は不要です。)
– 音楽学習歴もしくは音楽活動歴(簡潔なもので結構です)
– 指揮法を学んだ経験の有無(経験有りの方はその内容や期間について)
また、2月1日を目安に、ご自身が選択された課題曲を事務局にお知らせ下さい。
 
 

<講師・伴奏ピアニスト プロフィール>

 
阿部加奈子(講師)
©︎R.Funahashi
 
オランダ在住。東京藝術大学音楽学部作曲科を経て、パリ国立高等音楽院にて作曲に関連する6つの課程とともに日本人として初めて同音楽院指揮科で学び、フォンティス総合芸術大学大学院指揮科(オランダ)にて修士号を取得。
これまでに作曲を永冨正之、管弦楽法をマルク=アンドレ・ダルバヴィ、楽曲分析をミカエル・レヴィナス、ピアノと伴奏法をジャン・ケルネル、指揮をジョルト・ナジ、ヤーノシュ・フュルスト、ファビオ・ルイージ、エティエンヌ・シーベンスなどに師事。
パリ国立高等音楽院在学中より、ヨーロッパを活動の拠点に、指揮者、ピアニスト、作曲家として多方面で活躍する。2005年にはパリ管弦楽団やアンサンブル・アンテルコンタンポラン等のメンバーからなる現代音楽アンサンブル「ミュルチラテラル」を創設、2014年まで音楽監督を務める。また、その間にチューリッヒ歌劇場やモンペリエ国立歌劇場でファビオ・ルイージ、エンリケ・マッツォーラ、ロレンス・フォスター等のアシスタントを務める。これまでにギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団、イル・ド・フランス国立管弦楽団、モンペリエ国立管、ロレーヌ国立管、ルーマニア放送響、ジュネーヴ室内管など、日本国内では東京フィル、新日本フィル、東京シティ・フィル、兵庫芸術文化センター管、大阪響、広島響、群馬響などと共演している。2019年6月には東京オペラシティ文化財団主催「武満徹作曲賞」本選演奏会の指揮者に抜擢され、2021年5月に2度目の登場を果たした。2015年よりTokyo Ensemnable Factory、2019年よりアンサンブル室町のミュージック・パートナーを務める。また 2022年9月よりフランス・ドーム交響楽団音楽監督、2024年9月より同楽団芸術監督就任が決まっている。
2022年7月には、ブシュラ・エル=トゥルクの新作オペラ「Woman at Point Zero」の世界初演でエクサン・プロヴァンス音楽祭にデビュー、2023年6月にはコヴェントガーデン王立歌劇場へのデビューが決まっている。また2023/24年のシーズンでは、2023年9月に新日本フィル定期演奏会、2024年1月と2月に藤原歌劇団本公演への出演が決まっている。
これまでにIRCAMとの提携、ラジオ・フランスへの録音をはじめ、ストラスブール音楽祭、ヴェネツィア国際現代音楽祭などで160曲以上の世界初演の指揮を手がける一方、自身も作曲家としてのキャリアを歩み続けている。
音楽メディアでは、これまでに「レジス・カンポ Pop-Art」(æon)をはじめ、ヴォデニチャロフの室内オペラ「雪女」(Gega New)など12枚のCDをリリースしている。また、ラジオ・フランスへのレコーディングも定期的に行っており、2012年に指揮者として参加したセバスチャン・リヴァスのラジオオペラ「幻覚の夜」はイタリア放送協会主催の国際番組コンクールで最高賞であるイタリア賞を受賞した。
 
阿部加奈子公式ホームページ : https://www.kanakoabe.com/jp/

夏田昌和(講師)

 

 

東京芸術大学大学院修了後、パリ国立高等音楽院にて作曲と指揮を学び、審査員全員一致の首席一等賞を得て同院作曲科を卒業。作曲を野田暉行、永冨正之、近藤譲、Gérard Grisey 、指揮を秋山和慶、河地良智、Jean-Sébastien Béreau、伴奏法をHenriette Puig=Rogetの各氏に師事。芥川作曲賞や出光音楽賞、Fundaçao Oriente 国際指揮者コンクール第3位(1位なし)など、作曲と指揮の両分野での受賞や入賞、入選多数。
フランス文化省やサントリー音楽財団、アンサンブル・アンテルコンタンポランを始めとする数多くの公的機関や演奏団体、ソリストより委嘱を受けて書かれた作品は、世界各地の様々な音楽祭や演奏会にて紹介されている。
指揮者としてはグリゼイの「Vortex Temporum」と「境界を超えるための4つの歌」、ライヒの「Tehillim」といった大作の日本初演や海外現代作品の紹介、邦人作品の初演やCD録音に積極的に携わっており、現在までにその数は160曲を超える。また様々な市民オーケストラへ客演を重ねる一方で、小林武史(Vn.)、Claude Delangle(Sax.)、宮田まゆみ(笙)、森川栄子(Sop.)、藤原由紀乃(Pn.)、向山佳絵子(Vc)、鷲宮美幸(Pn.)、秋山友貴(Pn.)といったソリストとも共演してきた。2013年に指揮者の阿部加奈子と共に日仏現代音楽協会を設立。2021年には第6回両国アートフェスティバルの芸術監督として3プログラム6公演を成功に導く。2022年12月に日本で4度目、今世紀初となるアイヴズ「交響曲第4番」の演奏(タクティカート・オーケストラ)で正指揮を担当し、好評を博した。
 
 
大須賀かおり(伴奏ピアニスト)
 
桐朋学園大学演奏学科卒業、同大学アンサンブルディプロマコース修了。日本室内学コンクール第2位。現代音楽演奏コンクール競楽V優勝、第12回朝日現代音楽賞、2003年度青山バロックザール賞受賞。2020年コジマ録音よりリリースしたアイヴズのソナタ全集が第75回文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞。これまでに多くの作曲家の作品初演やCD録音に携わり、初演曲は300曲を超える。桐朋学園芸術短期大学、東京成徳短期大学、相模原弥栄高校芸術科非常勤講師。
 
 
瀬川裕美子(伴奏ピアニスト)
 
国立音楽大学鍵盤楽器ピアノ専修を首席、同科ソリストコースを最優秀で卒業。2013年よりリサイタルを東京文化会館小ホールやトッパンホールにてバッハから邦人委嘱作品まで、コンセプチュアルなプログラムで8回展開。Boulez ピアノソナタ全曲リサイタル、並びに同プログラムのCDは「レコード芸術」誌特選盤に選出され、朝日新聞等多数のメディアで紹介される。これまでCD5枚リリース。東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C」に出演。アンサンブル活動に加え、他分野の芸術と連関させた独自のレクチャーも行っている。

2/13, 2/14 第6回両国アートフェスティバル(協会後援情報)

 

 

早春の両国で聴く「音楽の過去・現在・未来」

下町・両国を舞台にした音楽祭、両国アートフェスティバル(略してRAF)。

第6回目は、芸術監督に作曲家・指揮者の夏田昌和氏を迎え、音楽に精通していない人、クラシック愛好家から現代音楽愛好家まであらゆる市民を対象に、ピアノ音楽を中心に声楽やインド伝統音楽も加えた3種類のコンサートを開催します。

親しみやすい小空間で、またオンライン生配信を通してお茶の間から、世代・地域を越えて体験する“今” の音楽に耳を傾けてみませんか。

公演に寄せて                                                                        夏田昌和
「我々はどこからきたのか 我々は何物か 我々はどこへ行くのか」……ゴーギャンの絵画タイトルとして知られるこの言葉は、芸術の創造と継承に携わるものにとって根源的な問いであり続けます。今年度の第6 回両国アートフェスティヴァル、プログラムI では「我々はどこからきたのか」を確認するために、ルネッサンス時代から現代に至る約5 世紀の音楽史を、芸術監督の解説と4 人のピアニストによる演奏で一気に概観します。一般には異質のものと捉えられることも多い古楽とクラシック、現代音楽が、遥かな時と世代を超えて一本の線で繋がっていることを一公演のうちに実体験出来る催しです。続くプログラムII では、西洋音楽とインドの伝統音楽とを対比させることにより「我々は何物か」について互いに思索を深めていきます。数多くの文化や民族、言語、宗教、思想、ジェンダーが複雑に混じり合う現代世界において、他者と向きあい対話することは自らの存在や特性を客観的に見つめ把握するために最適の方法ではないでしょうか。そして最後のプログラムIII では、4 分音調律ピアノによる音世界の中に「我々はどこへ行くのか」を探ります。それは耳慣れた12 平均律を超える微分音の響きと未体験の音楽言語を、今を生きる作曲家達がそれぞれの方法で模索する試みです。

3 つのプログラムは、音楽史の歩みや微分音というキーワードを介して、それぞれ次へと繋がっていくように配されています。是非一続きのものとして3 公演をお楽しみ頂ければ幸いです。

*   *   *

【プログラムI】我々はどこからきたのか 〜ピアノでひも解く西洋音楽500年史

ルネッサンス~バロック時代、古典派とロマン派、国民楽派と近代音楽、新ウィーン楽派から現代、という4つの区分、計32 人もの作曲家による楽曲を、解説つきで次々とお聴き頂きます。豪華な4人のピアニストによる多彩な演奏をお楽しみ頂くうちに、 西洋鍵盤音楽史500 年の大まかな流れと、作品様式や構造の変化、楽器の発展が音楽に与える影響なども自然にお解り頂けるはずです。

2月13日(土) 16:00開演 限定入場公演
2月14日(日) 16:00開演 限定入場公演+ライヴ&アーカイヴ配信

出演:飯野明日香(Pn.会員)・瀬川裕美子(Pn.会員)・大須賀かおり(Pn.会員)・安田結衣子(Pn.会員) 、夏田昌和(解説・会員)

プログラム:カベソン、フレスコバルディ、クープラン、バッハ、モーツアルト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、ヤナーチェク、ドビュッシー、スクリャービン、バルトーク、シェーンベルク、メ シアン、ブーレーズ、リゲティ他の小品や部分、計34曲

*   *   *

【プログラムII】我々は何物か〜クラシック vs インド音楽、テーマは”夜”

「夜」をテーマに、西洋クラシック音楽とインド音楽を聴き比べて頂きます。前半は 19 世紀のドイツ・リートとフランス印象派を中心とするピアノ作品、芸術監督の新作歌曲他でハーモニーの妙を味わえるプログラムを。 後半はヨシダダイキチのシタール演奏と解説で、インド音楽のラーガがもたらす豊 かな世界を、出演者による対談もまじえてお届けします。

3月7日(日) 16:00開演 限定入場公演+ライヴ&アーカイヴ配信
3月9日(火) 19:00開演 限定入場公演

出演:青戸知(バリトン)、篠田昌伸(ピアノ・会員)、夏田昌和(ピアノ・会員)、ヨシダダイキチ(シタール)

プログラム:

ラヴェル『夜のガスパール』より《オンディーヌ》(1908)

シューマン《月の夜》(1840)

ブラームス《 五月の夜》(1866)

夏田昌和《よく眠るための内気なセレナード》(2011)

R. シュトラウス《夜》(1882/83)

ヴォルフ《真夜中に》(1888)

ドビュッシー《月の光がそそぐテラス》( 1913)

夏田昌和《歌》(詩:谷川俊太郎/2020 委嘱・世界初演)

シャリーノ《夜の…》(1971)

シタール演奏:夜のラーガ

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【プログラムIII】我々はどこへ行くのか〜4分音ピアノで描く音楽の未来

1/4 音違いに調律された2 台のピアノを用いて、微分音程に満ちた響きの中に未来の音楽の可能性を探求します。この分野の先駆者であるアメリカのアイヴズとロシアのヴィシネグラツキー、この演奏会のために作曲された委嘱作品3 曲と、公募によって選ばれた若手作曲家による3 作品を演奏。世に演奏会は多々あれども、滅多に聴くことが出来ない不思議な音響世界を体験して頂きます。

3月20日(土) 16:00開演 限定入場公演
3月21日(日) 16:00開演 限定入場公演+ライヴ&アーカイヴ配信

出演:及川夕美(ピアノ・会員)・大須賀かおり(ピアノ・会員)

プログラム:

チャールズ・アイヴズ:《3つの4分音作品》2台のピアノのための(1903/24)

イヴァン・ヴィシネグラツキー《統合 Op.49》2台の4分音ピアノのための(1962)

夏田昌和(会員)・山根明季子(会員)・渋谷由香による新作(2021 委嘱・世界初演)

公募入選作品:

冨田正之介 《 一つ、またひとつ》(2020 世界初演)

渡部瑞基 《Kontrapunkt》(2020 世界初演)

キムヨハン(会員) 《A room between the rooms》(2020 世界初演)

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限定入場料金(税込)◉各プログラム10〜15名。要予約(今後の社会状況により変更となる場合もございます)

一般3,000円、会員・学生2,500円

電話/FAX:03-6666-9491(火曜日休館)

メール:ticket@monten.jp (@は半角に直してください)

・定員に達し次第受付を終了します。

・予約時にご案内する新型コロナウィルス感染症対策へのご協力をお願いします。

 

配信チケット料金◉1500円(税込)

*各プログラムの日曜日午後公演(2月14日、3月7日、3月21日)を生配信します。

配信チケット受付:ZAIKO

【プログラム I】https://monten-live.zaiko.io/_item/335431

【プログラム II】https://monten-live.zaiko.io/_item/335444

【プログラムIII】https://monten-live.zaiko.io/_item/335445

★生配信を視聴できない場合でも、公演日を含めて4日間はアーカイブ配信を視聴できます。

 

主催:一般社団法人もんてん

後援:日仏現代音楽協会

協力:ナヤ・コレクティブ

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、芸術文化振興基金助成事業、公益財団法人朝日新聞文化財団

 http://www.monten.jp/RAF6

フランス6人組結成100周年記念ミニ・コンサート&ライヴ配信 (協会共催事業)

フランス音楽の系譜において、ドビュッシー&ラヴェルの世代と、メシアンやジョリベの世代を繋ぐのが、主に両大戦間に活躍したミヨーやオネゲル、プーランクら「フランス6人組」の作曲家たちです。その結成と命名から丁度100年目に当たる今年2020年の8月に、両国門天ホールと日仏現代音楽協会の共催で記念のミニ・コンサートを催し、その模様をライヴ配信致します。プログラムは、前半に6人組が1920年に共同制作したピアノ組曲「6人組のアルバム」と、同じ年に若きオネゲルとミヨーが書いた2作品を演奏し、後半では当時としては珍しい女流作曲家だったタイユフェルや、6人の中で一番の人気作曲家であるプーランクの歌曲やピアノ曲を中心にお届けします。演目に”Pastoral”(牧歌・田園詩)が3曲も含まれる、夏らしい選曲によるひとときをお楽しみ頂ければ幸いです。

出演:中村香織(声楽家・協会会員)、大須賀かおり(ピアニスト・協会会員)、瀬川裕美子(ピアニスト・協会会員)
司会・解説:夏田昌和(作曲家・協会会員)

プログラム
・6人組「6人組のアルバム」(1920)
・オネゲル「夏の牧歌」*ピアノ連弾版(1920)
・ミヨー「ブラジルへの郷愁より第1、第6、第8曲」 (1920)
・オーリック 「ムーラン・ルージュ」(1952)
・タイユフェル「インカの牧歌」(1931)
・プーランク「モンパルナス」(1941)
・プーランク「ハイド・パーク」(1945)
・プーランク「即興曲第7番」(1932)
配信チケット料金:1000円(税込)
配信チケット受付:ZAIKO    https://monten-live.zaiko.io/_item/328262
・チケット購入期限:8月16日(日)15:15(開演後15分まで)
・事前にZAIKOへのアカウント登録が必要です。ZAIKOトップページからログイン画面に進みアカウントを作成してください。
・チケット購入時の応援投げ銭や、ライブ視聴中の投げ銭も可能です。
・支払い方法に応じ手数料がかかる場合があります。
・チケット購入後、ZAIKOより届く確認メールに記載された【配信への直接リンク】よりアクセスしてください。
・あるいは、ZAIKOトップページからログイン後【購入済みチケット】ボタンをクリック、チケットを選択してアクセスすることも可能です。
・配信開始時間(開演時間の15分前)になりましたら上記方法にてアクセスしてください。開演時間より上演映像のライブ配信が始まります(始まらない場合はブラウザの再読み込み機能をお試しください)。
・視聴方法の詳細(配信チケット購入・使用方法):https://zaiko.io/support?cid=40#faq-372

限定入場料金(10人限定・要予約):一般2,500円、学生・門天会員2000円(税込)
限定入場予約:両国門天ホール
電話/FAX:03-6666-9491(電話は平日の13:00〜17:00)
メール:ticket@monten.jp (@は半角に直してください)
・定員に達し次第受付を終了します。
・予約時にご案内する新型コロナウィルス感染症対策へのご協力をお願いします。

問い合わせ:両国門天ホール(上記に同じ)

企画構成:夏田昌和
主催:一般社団法人もんてん
共催:日仏現代音楽協会
映像配信:株式会社わっしょい

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中村香織 Kaori Nakamura
東京音楽大学及び同大学院修了。声楽を野村陽子、芹沢文子の両氏、モーツァルテウム音楽大学(オーストリア・ザルツブルグ)のアカデミーにてグレイス・バンブリー氏に師事。在学中特待生として研鑽を積む。東京音楽大学声楽助手を経て、国際ロータリー財団奨学生として渡仏。フランス国立ストラスブール音楽院修了。小林真理(声楽)フランソワーズ・キュブレ(現代音楽)クリスティーヌ・フォン・シャイデ(身体表現)アルモン・アングステール、ドゥニ・デルクール(室内楽)の各氏に師事。各時代の音楽様式、声楽のバリエーション、多言語の作品を研鑽する機会に恵まれた。MUSICA等の演奏活動、アルザス地方の音楽学校声楽講師を経て帰国。第41回フランス音楽コンクール声楽部門第2位。2012/13年京都フランス音楽アカデミー声楽クラス通訳。山梨英和高校フランス語及び甲斐清和高校音楽科声楽講師。東京工業大学(GSEP融合理工学系国際人材プログラム)にて音楽の探求講義を展開している。日仏現代音楽協会会員。

 

瀬川裕美子 Yumiko Segawa
1986年東京生まれ。国立音楽大学附属幼稚園から、小、中、高を経て国立音楽大学鍵盤楽器ピアノ専修を首席で、同科ソリストコースを最優秀で卒業。第7回ショパン国際ピアノコンクールIN ASIA大学生部門金賞受賞。2013年より定期的にリサイタルを東京文化会館小ホールやトッパンホールにてバッハからショパン、フランス近現代、邦人委嘱作品まで、コンセプチュアルなプログラムで7回開催。特にvol.5からは画家パウル・クレーの作品、造形思考を下地に音楽思考と結びつけながらどう生の音響空間を共有できるのか実験的な試みをしている。今秋はBoulezピアノソナタ全曲リサイタルのCD発売と共にリサイタルを予定している。これまでにCD4枚をリリースし、「レコード芸術」誌 準特選盤をはじめ、日経新聞電子版、「MUSIC BIRD」等、多数のメディアで紹介される。東京フィル三浦章宏氏をはじめ、弦や管楽器のリサイタルで共演。故礒山雅氏と《ゴルトベルク変奏曲》レクチャーコンサート他、音楽と他分野の芸術と連関させた独自のレクチャーも展開。 静岡音楽館AOI「ピアニストのためのアンサンブル講座」受講生として野平一郎氏に師事。日仏現代音楽協会会員。日本アルバン・ベルク協会会員。http://www.yumikosegawa.com/

大須賀かおり Kaori Ohsuga
桐朋学園大学音楽演奏学科卒業、同大学アンサンブルディプロマコース修了。第9回日本室内楽コンクール第2位。2001年にデュオ「ROSCO」を甲斐史子(Vn)と結成、第5回現代音楽演奏コンクール競楽V優勝、第12回朝日現代音楽賞、2003年度青山バロックザール賞受賞。ソロリサイタルやオーケストラとの共演、内外の国際音楽祭への出演を重ねる傍ら、mmm… 、KOHAKU(ORIGAMI)、リレーション’70といったグループの一員としても意欲的な活動を展開してきた。多くの作曲家の作品初演やCD録音に携わり、これまでの初演数は300曲を超える。ジパングレーベルより4枚のアルバムと楽譜集をリリース。日仏現代音楽協会、日本・フィンランド新音楽協会会員。桐朋学園芸術短期大学、東京成徳短期大学、弥栄高校芸術科非常勤講師。http://kaoriohsuga.com/

夏田昌和 Masakazu Natsuda
1968年東京生まれ。東京芸術大学大学院修了後、渡仏。パリ国立高等音楽院にて作曲と指揮を学び、審査員全員一致の首席一等賞を得て同院作曲科を卒業。作曲を野田暉行、永冨正之、近藤譲、Gérard Grisey、指揮を秋山和慶、Jean-Sébastien Béreau、伴奏法をHenriette Puig=Rogetの各氏に師事。芥川作曲賞や出光音楽賞をはじめとする受賞や入賞、入選多数。フランス文化省やサントリー音楽財団、アンサンブル・アンテルコンタンポランを始めとする数多くの公的機関や演奏団体、ソリストより委嘱を受けて書かれた作品は、世界各地の様々な音楽祭や演奏会にて紹介されている。指揮者としては邦人作品の初演や海外現代作品の紹介に数多く携わり、グリゼイの《Vortex Temporum》や《境界を越えるための4つの歌》の日本初演も指揮した。指揮者の阿部加奈子と共に日仏現代音楽協会を設立して初代事務局長を務め、その後も同協会を通じて様々な教育プログラムや演奏会・シンポジウム等の企画・運営に携わっている。2013年に東京オペラシティ・リサイタルホールにて大規模な室内楽個展が開催された他、ジパング・プロダクツよりCD「先史時代の歌〜夏田昌和作品集」をリリース。

2/14,15 第13回小林真理声楽マスタークラスのお知らせ&レポート(協会主催事業)

毎年恒例となっております、ストラスブール音楽院教授の小林真理先生による声楽マスタークラス、2020年の開催日が決定いたしました。
本場フランスでも高い評価を受ける小林先生の明晰かつエネルギーに満ちたレッスンを、この機会にぜひ一度ご体験ください。対象はプロを目指す声楽家の方やアマチュアの方まで、幅広く対応いたします。なお今回は、レッスンを受講された方ならどなたでも出演できるコンサートも予定しております。ご興味をお持ちの方は、ぜひお早めに事務局までお問い合わせください。

日時
2020年2月14日(金) 会場未定
2020年2月15日(土)  芸術家の家ホール(JR目黒駅東口より徒歩7分)

対象
受講生
– 声楽を専門的に学ばれている方
– フランス歌曲やフランス語オペラを学ばれたい方
– 声楽分野でフランスへの留学を希望されている方
– フランスにおける声楽教育を体験されたい方
– 声楽の初心者やアマチュアで学ばれている方

聴講生
-専門的な知識の有無にかかわらず、興味のある方はどなたでもご見学可能です。メールにて事務局までお申し込みください。
-レッスンの妨げにならない範囲での入退場は自由です(お申し込み後に当日のタイムテーブルをお送りいたします)。

レッスン形式
– 原則としてお一人につき1時間の個人レッスンとなります。上記の日時内でご希望の時間帯を、お申し込み時にお知らせ下さい。お一人で2時間続けての受講や、複数枠の受講も可能です。
– 受講曲目は自由です。2、3曲程度ご用意下さい。事前に講師ともご相談いただけます。
– 伴奏者はご自分でお連れいただくか、協会事務局からのご紹介も可能です(紹介の場合の奏者への謝礼は、1枠につき5,000円となります)。
-受講生は、2月15日夕方から行われる試演コンサートにご参加いただけます(希望者のみ)。費用はかかりません。
-受講生は、他の受講生のレッスンも自由にご見学いただけます。

参加費
-受講料 : 22,000円(複数枠をお申し込みの場合、2枠目からは各18,000円)
-聴講料 : 2,000円(日仏現代音楽協会会員は1,500円)

お申し込み・お問い合わせ
日仏現代音楽協会事務局 tokko.chene@gmail.com

講師プロフィール
小林真理(日仏現代音楽協会名誉会員)

鎌倉市生まれ。3歳よりピアノを始め、10歳より中村浩子女史に師事し声楽を学ぶ。
1979年東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業、同大学院修士課程に進み、1981年文化放送音楽賞受賞、第1回日仏声楽コンクールに入選、フランス音楽をより深く学ぶために留学を決意し、1982年フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に入学、レジーヌ・クレスパン女史に師事、1987年同音学院のオペラ科を終了、1989年にはウィリアム・クリスティ氏の指導する同音学院の古典声楽科のクラスを1等賞を得て終了する。パリ国立高等音楽院に在籍中の1983年頃より数々の国際声楽コンクールにて受賞(1984年パリのフランス歌曲国際コンクールでフォーレ賞、1988年クレルモン・フェランのオラトリオ・リート国際コンクールではリタ・シュトライヒ・記念大賞)この頃よりバロックから現代音楽に至る幅広い演奏活動を始める。
1993年にはその後進学した東京芸術大学博士課程において博士論文『オリヴィエ・メシアンの歌曲研究ーハラウイを中心にー』を書き、博士号を収得する。
コンサート活動においてはピエール・ブーレーズの指揮でシャトレ劇場でハリソン・バートウィッスルの〔メリヂアン〕のフランス初演、フランス国立管弦楽団、フィルハーモニック・オーケストラと共演、オランダのコンセルトゲボー・ホールにてシェーンベルクの〔4つのオーケストラ歌曲作品22〕、佐渡裕指揮でオーケストラ・ラムルーとマーラーの交響曲第2番、現代音楽作曲家の初演は数多く、アンサンブル・アンテルコンタンポランと数度共演、ロストロポーヴィッチの指揮で小林真理のために書かれたピヨートル・モスの〔スターバート・マーテル〕、最近ではフィリップ・ルルーの新作をロレーヌ国立管弦楽団とフランスとドイツで初演、ヨーロッパのみでなく、アメリカ、東欧、オーストラリアにてもソリストとして活躍している。オペラの分野では ジェフリー・テート指揮によるベルクの〔ルル〕の女流工芸家役、プッチーニの〔蝶々夫人〕のスズキ役、モーツァルトの〔コシ・ファン・トゥッテ〕のドラベラ役、ヴィヴァルディの世界初演〔真実の証〕のルステーナ役などを演じている。
CD録音も多数に及び、モーツァルトの〔レクイエム〕、〔マニュエル・ロ-ゼンタール歌曲集〕、〔20世紀の作曲家の編曲による世界の民謡〕などがあり、最近では、フランスを代表するサクソフォン奏者、クロード・ドラングルとの〔japanese love songs〕、メシアンの〔ハラウィ〕などがある。
1999年にフランス国家教授資格を得て現在ストラスブール地方音楽院で声楽の専任教授を勤め、ニースのアカデミー他、各国でマスタークラスを行い、後進の指導にも情熱をそそいでいる。

◯受講生の方からのレポート
昨年小林真理先生のマスタークラスを受講された方々から、レポートをお寄せいただきました!参加をご検討されている方はぜひご一読ください。

《小林真理声楽マスタークラスを終えて》
毎年、真理先生のマスタークラスを心待ちにしております。
真理先生の発声の指導は、呼吸の正しい仕方から体の使い方、歌う際の息の使い方など、大変綿密に、こちらが納得するまで熱心に指導して下さいます。
大学で声楽を学んだにもかかわらず、きちんと出来てなかった事が沢山あり、新たな気持ちで歌と向き合う事が出来ました。
真理先生のおっしゃる通りに歌う事が出来た時は、喉に力が入ることが無く、楽に美しい音が出るのです。
次第にうまく歌えるようになると、とても充実した幸せな気持ちになります。
また、自分のレッスン以外にも他の方のレッスンを聴講する事ができます。真理先生のおっしゃってる事が客観的によく分かり、自分が歌うのとは別の形で学ぶことができるのは、すごくいいなと思います。
次回のマスタークラスでは、また新しい事を吸収できる事を期待しながら、日々真理先生から学んだ事を練習し続けていきたいと思います!
加藤智子

  音大を卒業して、高校の音楽教師を32年間していましたが、大学では声楽をきちんと学んだことはありませんでした。ご縁があって、良い日本歌曲の先生に出会うことができ、現役の間は1年に数回というノロノロのペースでしたが、30年以上レッスンに通っています。
  日本歌曲もすてきですが、子供の頃から、ルパンやドビュッシーが好きで、フランス音楽やフランス語の響きに魅せられて、いつかはフランス語をきちんと学び、フランス歌曲を歌えるようになりたいと思っていました。
  そんな折に、小林真理先生を紹介していただきました。好きで歌ってはいましたが、フランス歌曲をきちんと学ぶのは真理先生が初めてで、3回ほどマスタークラスを受講させていただいています。
  毎回、真理先生がご熱心に、発声や発音を教えてくださるので、とても勉強になります。無駄な力を抜いて、柔らかな声でフランス語の歌を歌えるようになりたいと思っているのですが、いつも指摘されてしまうのは、日々の練習不足です…。孫の滞在とか、仕事とか日常の雑事を言い訳にして、なかなか音楽にじっくり向き合うことができません。でも、真理先生との出会いに感謝して、フランス歌曲を細々とでもわたしのライフワークとして続けていきたいと思っています。
  いつかフランスに滞在して、フランス語やフランス文化の中で、フランス歌曲を学ぶことができたら良いな〜、というのがわたしの目下の夢です。
山崎敦子

◯こちらは、昨年夏にコルシカ島で行われたマスタークラスの様子です。

《小林真理先生マスタークラス in カレンツァーナ》
まさかコルシカはモンテグロッソの麓、カレンツァーナ村の教会で歌うことができるなんて思ってもみなかった。17世紀末にローマ人建立の聖地の跡地に建て直されたというこのイタリアンバロック式のSaint Blaise教会で。。正直内装は少々痛んでおり、壁にかかる絵画も埃をかぶった感は否めないのだが、毎年8月カレンツァーナ音楽祭で世界を舞台に活躍する音楽家たちがこの場所で、まさにこの教会で天にも昇るような素晴らしい音楽を奏でることに間違いはない。
私がここで歌えたのは、もちろん小林真理先生のおかげである。
先生による現地でのマスタークラスの最後にこの夢のような機会を得たのだが、そのマスタークラスについて記してみたい。
小林先生によるフランス国内でのマスタークラスに参加するのは今回で4回目。毎回5日~7日間現地に滞在し、午前中は発声の基本、午後は課題曲のレッスンが続く。毎日合計1時間程のレッスンなのだが、これがなかなかの重圧感だ。こう言うと語弊があるかも知れないが、もちろんそれは先生からの圧ではなく(!)、自分自身と向き合わざるを得ないという試練から来る。「舌に力を入れない」「喉は開いて下げる」「頬上部を上げる」「口は開きすぎず、しかし音の高さにより開いていく」「息を回しながら歌う」・・・一音出すのに一度にやらなければならないことが多すぎる。それらに加えて歌詞をレガートに回していく難しさ。イタリア語、フランス語、ドイツ語、、各国語により発音のポイントは異なる。もちろん表現のことも言い出したら切りがないのは明白だ。
意識すべきことをすべて意識するが意識しすぎてはいけない。力を入れすぎてはいけないが力を入れないと声は出ない。このようなことだけを考えだすと、案の定声は出ない。考えすぎてはいけない。しかし程良い意識は必要だ。考える、考えない、考える、、、研修中は自分の中でこのやりとりだけが毎日繰り返される。
普段は会社でひたすらメールを裁くことに時間を費やしているせいか、このように自分と向き合うだけの時間はとてもしんどい。たまに逃げ出したくなる。しかしちょっと考えてみたまえ、この時間は何という贅沢な時間なのだろう!
ふとレッスン室から一歩外に踏み出せば、下方に広がる海の紺碧色に心震え、乾いた空気に響く教会の鐘の音に時を感じ、近くの手作りクッキー工場の甘い香りに子供の頃を思い出したり、、、ここカレンツァーナでは眠っている五感がこれでもかというぐらい覚醒される。そうだ、自然に身を任せればいいのだ。そう、ある時から私はこの自由な感覚に身をゆだねることができるようになっていた。
小林先生のレッスンを受け始めた初めのころは緊張から体がこわばり、震えだし思うように声を出すことができなかった。習うことと逆のことをいつもしてしまっていた。もちろん今でもそれを克服できたとは言えない。
しかし、自然の中でレッスンを受ける機会を重ねるごとに、体が自由に開き始めてきた感がある。それは大自然の中に何のわだかまりもなく体をゆだねる喜びを自覚したからではないだろうか。そのような状態で初めて学びを受けいれ、体の中に入れることができるのかもしれない。理屈では語れない、とてつもなく偉大なる自然の力がそこに存在している。体を開き、学びを受けいれる。それは音楽だけではなく、人生にも必要なことだ。私は音楽を通して、その尊い力を学んでいる。そして、一生学び続ける。
最後にこの場をお借りし、辛抱強く深い教えを惜しみなく与え続けて下さる小林真理先生に、そしていつも温かく、力強い励ましをくださる高橋淑子さんに、心から感謝の気持ちをお送りします。
チェチリア真知子

《Les Rencontres de Calenzana 〜 
小林真理先生のマスタークラスに参加して》

 2019年8月17日から8月22日の6日間、私はフランス・コルシカ島北部のカレンツァーナという、小さなしかし美しい町に赴きました。目的は、第19回目を迎えた《Les Rencontres de Calenzana》音楽フェスティバルに参加し、小林真理先生のマスタークラスを受講するためです。
今年のマスタークラス受講生は7名。皆が17日初日にカレンツァーナで現地集合でした。レッスン会場(町役場の一室!)に到着するや否や、真理先生との再会の挨拶もそこそこにレッスン開始です。慌ててスーツケースを傍らに置き、レッスンモードにスイッチを切り替えました(笑)。
レッスンは毎日、午前と午後に1回ずつあります。午前は発声とボーカルテクニックを中心としたフィジカルについて、そして午後は各々が持参した歌曲やオラトリオ、オペラアリアといった作品の解釈や、言語の発音を中心に据えて音楽作りのレッスンです。全てのレッスンを聴講しますので、受講生は自分の目前の課題以外も学び取ることができます。加えてお互いの日々の進歩、作品がピカピカに仕上がっていく喜びも共有していくことができるのは、合宿型マスタークラスの良いところではないでしょうか。
カレンツァーナでのマスタークラスの魅力は、レッスンだけではありません。食事の素晴らしさは、他に比類なきと言えます!私たち受講生はホテルに宿泊せず、町の民家にお世話になりました。お留守中の住宅を貸していただき、自分の家のように自由に使わせていただくのです。朝食代わりのお菓子とお茶が用意されていました。昼食と夕食はフェスティバル参加者のために毎日素敵なパティオで用意されるのです。昼食はビュッフェ形式、夕食はコースで前菜・サラダ、メインディッシュ、デザートがふんだんに振る舞われました。そうそう、美味しいワインも欠かさず。滞在中、同じメニューが出てきたことはなく、全てコルシカ島地産地消、食材も豊富。毎日の楽しみの一つだったことは言うまでもありません。
  カレンツァーナは山登りの拠点の町でもあり、海辺の空港カルヴィの街から車で20分ほど上った所に位置していますので、海を眺望しながら、岩山の風景をバックにビールを一杯、などという夕暮れの過ごし方もできるのです。夜空の星の美しさも、一体何等星までの輝きが見えているのだろうと、目を疑うほどでした。
  最終日はコンサートで締めくくりました。会場は町の中心にある、サン=ブレーズ教会でした。真理先生も司会進行をしながら、私たち受講生とともに歌を披露してくださいました。コンサートは、今年がオッフェンバックの記念年であることから、「フランスのオペラ、オペレッタ」をテーマに、マスタークラスの成果を披露しました。ちなみに、私は今回メサジェの作品を初めて歌わせていただきました。他には、グノー、ビゼー、ドリーブ等。真理先生の曲紹介は、聴衆の聴きたい気持ちを盛り上げ、聴衆の皆さんは、歌う私たちの気持ちを支える雰囲気を作ってくださいました。もう一つ書き加えなければならないこととして、なんと、パリ高等音楽院ピアノ教授ドゥニ・パスカル氏がピアノを担当してくださったことがあります。私たち受講生は素晴らしい教会で、素晴らしいピアノに支えられ、本当に幸せな時を過ごし、マスタークラスを終えることができました。
コルシカ島は素敵なところよ、と真理先生からずっとずっと聞いており、やっと念願叶った2019年の私の夏。真理先生とともに過ごした音楽の日々、海、山、太陽、食べ物、ワイン、そして人々。しっかり充電して、リスタートです。
柚木たまみ

 

 

 

12/24 アンサンブル室町+人形浄瑠璃(後援演奏会情報)

アンサンブル室町の今年末公演は人形浄瑠璃とのコラボレーションです!
人形浄瑠璃「本朝廿四孝 奥庭狐火の段」の抜粋と、5名の現代作曲家への委嘱作品を織り交ぜて上演します。

2019年12月24日(火)北沢タウンホール
<2回公演>
開場14:30 開演15:00
開場18:30 開演19:00

プログラム:
人形浄瑠璃「本朝廿四孝 奥庭狐火の段」より
委嘱作品・世界初演
伊倉由紀子/大家百子/向井響/渡辺俊哉/渡部真理子

出演
ひとみ座乙女文楽
鶴澤三寿々(三味線)
竹本寿々女(浄瑠璃)
工藤巧(俳優)

演奏
鷹羽弘晃(指揮)
アンサンブル室町
能管:澄川武史
篠笛:あかる潤
龍笛:清田裕美子
尺八:黒田鈴尊/長谷川将山
篳篥:三浦元則
笙:管原ユーリ
琵琶:久保田晶子
箏:今野玲央/平田紀子/森梓紗
三味線:守啓伊子
胡弓:村澤丈児
邦楽打楽器:小川実加子/山口晃太朗
リコーダー:菅沼起一
フラウト・トラヴェルソ:仲間知子
チェンバロ:圓谷俊貴
​パーカッション:蔡怜雄
テオルボ:上田朝子
バロックヴァイオリン:須賀麻里江/高岸卓人
ヴィオラ・ダ・ガンバ:和田達也

演出:萬浪大輔
芸術監督:ローラン・テシュネ
照明:松本永
制作:PolyArts
制作協力:東京コンサーツ
協力:(公財)現代人形劇センター

チケット
一般前売 4,000円 一般当日 4,500円
学生前売 2,000円 学生当日 2,500円​

​ご予約・お問い合わせ
東京コンサーツ http://www.tokyo-concerts.co.jp/ Tel:03-3200-9882
カンフェティ https://www.confetti-web.com/ Tel:0120-240-540
アンサンブル室町事務局  office@ensemblemuromachi.or.jp

​助成:芸術文化振興基金/野村財団

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2/8 チャールズ・アイヴズ ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 全曲演奏会(後援演奏会情報)

2020年2月8日(土) 開演18:00 開場17:30
東京オペラシティ リサイタルホール
入場料:一般 3,000円(当日 3,500円)学生 2,000円

プログラム:
チャールズ・アイヴズ ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番・第2番・第3番・第4番

演奏:
ROSCO 甲斐史子(ヴァイオリン・会員) 大須賀かおり(ピアノ・会員)

解説:
米山高生(保険史研究家)  夏田昌和(作曲家・会員)

お問い合わせ:
東京オペラシティチケットセンター 0353539999
09080125723(大須賀) kaoriohsuga@gmail.com
09084517341(甲斐)

11/25 魅惑の室内楽Vol.5 ~ ダンスにまつわる音楽を集めて(後援演奏会情報)

 

 

日時:2019年11月25日(月) 19時開演
会場:銀座ヤマハホール
チケット:一般4000円(当日500円増)/大学生3000円/高校生2000円/小中学生1000円(学生券は前売りのみ)

演奏曲:
ラヴェル /亡き王女のためのパヴァーヌ 連弾
ドビュッシー /小組曲 連弾
ミヨー/ スカラムーシュ 2台ピアノ+パーカッション
バーンスタイン/ シンフォニックダンス 2台ピアノ+パーカッション
野本洋介/ 委嘱初演の新作 2台ピアノ+パーカッション

出演者:
野本洋介 (パーカッション・読売日本交響楽団打楽器奏者)
ジュリアーノ・アドルノ(ピアノ・イタリアオルベテッロピアノフェスティバル音楽監督)
平野裕樹子(ピアノ・協会会員)

11/9 カルチエミュジコ デュオコンセール ノートゥス-南からの風(後援演奏会情報)

 

 

今回は、ポルトガルの作曲家エマヌエル・ヌネスの『相乗I』と川崎真由子の新作委嘱作品(世界初演)を核に、クラリネットとヴァイオリンのデュオの世界をお届けします。
演奏はアンサンブル・ノマドのメンバーであり、精力的に演奏活動を続けるクラリネット奏者菊地秀夫と、カルチエミュジコには2012年から演奏に参加し、2017年のB→C公演など多彩な活動を続けるヴァイオリニスト印田千裕、この二人の組み合わせで、今回のプログラムに取り組みます。

+++++++++++++++++++++++++++++++
QUARTIERS MUSICAUX DUO CONCERT
Notus-vent du sud
カルチエミュジコ デュオコンセール
ノートゥス-南からの風

2019年11月9日(土)19h00
ロームシアター京都ノースホール

プログラム
■『翼をもった魂』『ひらかれた魂』 (1973) | G・シェルシ
■ライト・ムーヴィング (2003) | F・ロッセ
■くちばし 丈夫でとがる(2019、委嘱世界初演) | 川崎真由子(会員)
(クラブペニッシュとカルチエミュジコによる委嘱)
■セクエンツァ IX (1980) | L・ベリオ
■相vs乗 I (1982) | E・ヌネス
■ふたつの小品 (2008) | G・アペルギス

演奏
クラリネット 菊地秀夫
ヴァイオリン 印田千裕

◆コンサート案内
http://quartiersmusicaux.blog77.fc2.com/

◆イメージビデオ《なぜ『くちばし 丈夫でとがる』のか》
http://quartiersmusicaux.blog77.fc2.com/blog-entry-337.html

チケット(全自由席、前売/予約)
一般 3000円 学生2000円 小中高生1000円
(パスリゾーム・会員  各500円引)
*パスリゾームは、現代音楽を楽しむためのメンバーシステムです。
協賛コンサートを割引料金でご鑑賞いただけます。
https://passerhizome.jimdo.com/quartiers-musicaux/

【ご予約・お問合せ】
カルチエミュジコ
entracte@m.email.ne.jp
TEL 050-3569-8916  FAX 03-4578-9273

※本公演の前日11月8日(金)には公開リハーサルを大阪で開催します。
近代建築の名作として知られる南大阪教会礼拝堂(村野藤吾設計)での音楽のひとときにお立ち寄りください。《会場:南大阪教会礼拝堂(大阪市阿倍野区阪南町1-30-5)18:00-19:30 入場無料》
▶︎▶︎オープンリハ@南大阪教会の詳細

後援:ポルトガル大使館/Camões, I.P./日本現代音楽協会/日仏現代音楽協会
協賛:マリーコンツェルト

10/12 お洒落なフランスオペラのコンサート(後援演奏会情報)※変更あり

 

 

2019年10月11日16:00開演(台風のため日時が変更になりました)

鎌倉婦人子供会館(会場が変更になりました)
料金:一般 3,500円 中学生以下 2,000円プログラム
レイナルド・アーン:オペレッタ「シブレット」より
レオ・ドリーブ:オペラ「ラクメ」より
モーリス・ラヴェル:オペラ「子供と呪文」より
ジョルジュ・ビゼー:オペラ「カルメン」より
ジャック・オッフェンバック:オペラ「ホフマン物語」より

出演
小林真理(メゾソプラノ・協会名誉会員)、アレッサンドロ・ズッパルド(ピアノ)
高橋淑子(会員)小山瑠美子(会員)、谷口美也、和田乃里恵、リリア・ドルンホフ(ソプラノ)
佐藤千香(メゾソプラノ・会員)長谷川暁生(テノール)

お問合せ/お申込み:03-3705-4413(安江)mail : yukominchin@gmail.com

10/10 Trio Difference vol.1(後援演奏会情報)

 

 

2019年10月10日(木)19:00開演
両国門天ホール
料金:前売り2,500円、当日3,000円、門天会員2,000円

プログラム
松平頼暁:変奏曲
篠田昌伸(会員):Different tunes III
ジェラール・ペッソン:ひび割れた日の赤い雄鶏を忘れるな
エンノ・ポッぺ:葡萄
夏田昌和(会員):委嘱新作  ほか

出演:
Trio Difference
亀井庸州(Vn)、多井智紀 (Vc)、篠田昌伸(Pf・会員)

予約・問い合わせ:suspended_S@t.vodafone.ne.jp (@は半角に直してください)

主催:Trio Difference
後援:日仏現代音楽協会

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